一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成30年2月本部月例研究会のご報告

2月11日(日)は水稲荷神社参集室を会場に会員の他に「研究保存会」のホームページを見て参加したという方2人を含む41人の参加者がありました。今回は評議員松本由伎子さんからの紹介で共立女子大学博物館長・家政学部教授の長崎巌氏を講師としてお招きし、「陣羽織」についてお話しいただきました。

陣羽織の役割は防寒や目立つためで、変わり兜と同様に奇抜で派手な意匠が考えられ安土桃山時代から使用された。身分社会では一般的にみられる身分の高さを示すため高価な素材が好まれ金襴・緞子(どんす)・羅紗(ラシャ)・錦等が用いられ、武家に茶が流行し表具や仕覆に名物裂が使用された時期とも重なるとの指摘がありました。

陣羽織は馬上で使用されるため、後裑(うしろみごろ)中央に大きくスリットを入れ背割りを設けたり、裾がスカートのように広がる工夫がされている。小袖から道服(どうふく)が生れ、さらに馬上で用いやすい陣羽織が生れたと考えられることを南部家の特殊な陣羽織から説明されました。

江戸時代中期以降は大手の呉服屋へ注文して仕立てられたと考えられ、形状が固定化する傾向があり、製作年代は意匠・太刀受けの位置・素材・猩々緋の色味・切り嵌(はめ)か切り付けか等で

判断することができるとのことでした。

会員から各自持参した麻・木綿・羅紗等の陣羽織や具足下着・羽織の説明もあり、質問時間を含め予定時間を15分ほどオーバーする盛況な会でした。