一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成29年10月本部月例研究会のご報告

10月8日(日)は水稲荷神社参集室を会場に、九州から本部月例研究会へ初めて参加したという会員を含め会員24人の参加者がありました。当日は講師の松本国彦副会長の他、4人の会員が貴重な古桃形兜を持参し合計17頭を展示しながらの研究会でした。
最初に会誌155号で“「桃形兜」の編年と地域性”を発表した竹村雅夫専務理事から桃形兜の中でも製作時期の古いものを「古桃形兜」と呼称した理由をのべていただきました。
松本副会長からは竹村氏の研究成果を踏まえ、古桃形兜の特徴や製作され始めた時期や地域についての講義のほか、展示された各古桃形兜の見どころや特徴が解説されました。桃形兜の発生については、南蛮兜、特にキャバセットやピークトモリオンといった形式の兜の影響を受けたものではなく、それらがヨーロッパで作られ始めた1500年代末より早い、天文(1532~55)末期頃からその形態(桃形)がすでに日本においてみることができると指摘があり、したがって南蛮兜の影響ではなく日本独自の発生と考えられると説明がありました。また、その後は輸入された南蛮兜の影響も受け、江戸期を通じて兜の一形式として製作され続けたたことは、忘れてはならない特徴である旨の説明もありました。
参加者からは九州地方で多く使用された理由等の質問が出されました。講師からは九州で多く使用された明確な理由は不明であることが述べられ、参加した会員から複数の仮説が出されましたが、説得力に欠けこれからの研究課題であることが改めて明らかになった研究会でした。