一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成29年4月本部月例研究会のご報告

4月9日(日)は水稲荷神社社務所を会場に会員他26人の参加者がありました。午前中は理事会がありましたので、多くの理事も含めての研究会となりました。兜の変遷を考える場合、平安時代後期に完成をみた星兜のことから始めないと筋兜の話ができないため、講師の松本国彦副会長からは、最初に星兜の出現から変遷を簡単にお話いただきました。その後、当日講師が資料として持参した、鎌倉時代の星兜の鉢や南北朝~室町時代末期にかけての筋兜・筋兜の鉢を使って解説がありました。

星兜から筋兜が生れた原因については、星兜でも腰巻板の星を削ることが鎌倉時代後期には行われていたことを指摘した上で、当時は星が小さくなった分、1行に打つ数が増え兜の間数も多くなったため、軽量化を図るために行われたのが主な要因だったのでは、との意見が述べられました。また、筋兜が出現した当時は斬新に思われたのではなかろうか、との発言もありました。参加していたある理事からは、室町時代の筋兜全盛の時代にあっても星兜は連綿として作られていたと考えた方が良いとの発言もありました。

最後に講師からは、室町時代後期に出現した上州鉢の小星を例に挙げて、甲冑に関する東西の好みの違いを前提として考えると、西国の身分の高い人は総覆輪、東国の身分の高い人は小星兜をそれぞれ好んだ、とも考えられると述べられたのは大変興味深い発言でした。