一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成28年9月本部月例研究会のご報告

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9月24日(土)午後3時から水稲荷神社社務所で『「雑賀の兜」持ち寄り研究会』というタイトルで本部月例研究会が行われ28人の参加がありました。講師は当会副会長の松本国彦氏。講師と当会員3人が貴重な兜を持参し、兜・兜鉢合計18頭が展示され研究会が始まりました。

「甲冑武具研究」85号(平成元年5月10日発行)に掲載された、斎藤利生氏の「故森田朝二郎先生に捧げる 元(げん)の兜の特徴を伝える我が国の兜―筋伏兜から雑賀兜へ―」をもとにしながら、松本氏は「筋伏兜」と「筋兜」の違いや雑賀兜と一般的に言われている兜は「本雑賀型兜」「置手拭形兜」に大別できる等の説明がありました。また一般的に座星が打たれていると雑賀鉢と称されることも多いが、雑賀鉢と明確に言えない鉢も多く、例えば小田原鉢は座星が打たれているが雑賀鉢とは大きく印象が異なる等、雑賀の兜について概略を話した後、プロジェクターを使って海外の会員所蔵も含め、置手拭形兜・本雑賀型兜の紹介がありました。

持参した3人からの説明と講師からの補足説明の後、参加者は正面に展示された兜・兜鉢を自由に手に取って鉢裏を確認したり、思い思いに写真を撮ったりと、20分ほどの短い時間でしたが、当会月例研究会ならではの時間をすごしました。

「雑賀衆が置手拭形兜や本雑賀型兜を被っていただろうか」という質問に対しては、講師の松本氏からは記録は無いが、鉄砲衆クラスではなく、もっと身分の高い侍でないと被ることは無理だったと考えるとのことでした。また85号の論文で「元(げん)の兜」として紹介されている兜の信憑性についての質問もあり、講師は必ずしも元の時代のものと言い切れないが、その後の明・清時代の兜も形式が変わらないと述べた。

最後に雑賀兜は江戸時代にも作られており、安土桃山時代のものとは限らない。切鉄や象嵌の精緻なものは、概して安土桃山時代よりも時代が下ると考えた方が良いと時代判定のポイントの説明もありました。

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