一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

平成28年7月本部月例研究会のご報告

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7月24日(日)午後3時から水稲荷マンションの参集室で「馬面派の兜」というテーマで本部月例研究会が行われ25人の参加がありました。講師は当会副会長の松本国彦氏、講師が持参された兜は鉄錆地4枚張桃形(朝次在銘)・鉄錆地62間小星兜(貞生在銘)・鉄朱漆塗62間小星兜(越前豊原住正行在銘)・鉄錆地6枚張座星兜鉢(越前豊原住馬免朝次作在銘)・鉄錆地62間小星兜(受張のため銘不明)でした。
昭和63年(1988)7月30日発行「甲冑武具研究」第82号に折笠輝雄氏の“馬面派の兜”という論文が掲載されている。この論文で『新編武蔵風土記稿』貞生作の兜の図、『名甲図鑑・続集』記載の馬免朝次作の兜鉢図、山口広夫氏所蔵貞生作の紹介写真等をプロジェクターで投影しながら、山上八郎の研究や、馬面家古文書により「馬面(免)」を刻銘するものは、全て元和以降である旨の研究等の紹介がありました。
さらに馬面(免)と刻銘されたものは厚い鉄で兜鉢が作られているため、刻銘されていないものより鉢が重いとの感想も述べられた。また、以下のように馬面派の特徴を整理していただきました。
①小星の形状がずんぐりしている
②前正中3行、後正中1行に星を打つ
③天辺の穴が小さい
④天辺の周囲を軍配扇形に打ち残す
⑤四天の鋲・響の穴・笠印付の鐶を設けない
⑥眉庇の左右両端の形状が独特である
⑦筋兜は前正中に共鉄の鎬板を一条伏せる
当日は折笠輝雄氏が研究会へ参加されており、天保14年の文献では作った馬面が主君に気に入られて“馬面”を名乗った旨の記載がある。しかし、馬面という地名があることから、地名が由来ということも考えられ確かなことは不明である、との補足説明もありました。

馬面派