一般社団法人 日本甲冑武具研究保存会

The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor

6月本部月例研究会報告

本部月例研究会は、会員以外の方の参加も含め30人以上の参加者があり6月22日水稲荷神社社務所で開催されました。
当会の会員で中世刀装研究製作者として活躍されている上野修路氏から「腰刀について-新出の腰刀の紹介をかねて-」というテーマでお話しいただきました。
この拵は、本来朧銀の薄板で全体を覆い、その上に金銅(こんどう)透(すかし)彫(ぼり)筒(つつ)金(がね)を柄・鞘にかぶせたものでしたが、
透しの筒金と、柄を包む薄板の頭側半分が残っていただけで、粗製の木鞘に取り付けられていました。
これを修復する過程で講師が気付いたことや、腰刀について研究されてきたことの報告がされました。
『一遍上人絵伝』『蒙古襲来絵詞』『松崎天神縁起絵巻』などの絵画資料に表現された腰刀や春日大社・厳島神社等が所蔵している
腰刀の写真等をプロジェクターで映写しながらの報告は大変参考になりました。
復元された腰刀を南北朝時代ごろのものと講師は推定しています。
想像以上の優品で拵全体に透彫がほどこされ、平安・鎌倉時代の雰囲気が残る今までにはない技法の腰刀となりました。
腰刀からみると、「中世を大きく2つに時代区分がすることができる」という講師の発言は興味深いものでした。
また復元過程で、「当時の製作者の技術が再現できたときの喜びは何事にもまさる」と言われました。
遺されたものから真摯に学ぼうとする講師の研究製作者としての姿勢を垣間見たような気がしました。    M